2006年12月26日
12月定例市議会を終えて
日本共産党福岡市議団
12月議会が閉会しました。吉田市長の初めての議会として、市議会各党派の態度が注目されました。
日本共産党市議団は、「吉田市長のよいものには賛成し、悪いものには反対する」という立場から、人工島や須崎埠頭再開発、新福岡空港、新都心構想など大型開発の中止を主張し、高齢者や障害者の負担軽減と福祉の充実、少人数学級の全学年実施、乳幼児医療費や留守家庭子ども会の無料化、公立保育所民営化の中止など市民要求を実現するよう求めました。
一方で、前山崎市政を支えてきた勢力は無反省な姿勢を示しました。
自民党とみらい福岡は、「公約を見直してはどうか」と主張し、大型開発見直しや市民要求などについて「公約破り」を迫りました。それぞれの公約についても、「人工島見直し公約を精査せよ」「学童保育無料化はいいことではない」「子どもの医療費タダはいかがなものか」「財政健全化に逆行する」などと発言しました。前市政が進めてきた財界奉仕の大型開発と市民犠牲に厳しい審判が下されたにもかかわらず、何の反省もなく、むしろそれを肯定する立場から市長を追及したのです。自民、みらいの「民意を敵対」「市民要求に反対」「公約軽視」の立場が鮮明になりました。市議選ではその立場が鋭く問われます。
公明党は、吉田市長に対して「模様見」の態度でしたが、前市政を全面的に推進してきたことの反省も、それに厳しい審判が下されたことに対する真摯な受けとめも示しませんでした。
与党の民主・市民クラブは、前市政に自ら100%賛成してきたことの総括も反省もないまま、市長公約に合わせて政策と主張を変えざるを得ませんでした。
12月議会では、市民税の定率減税の廃止を含む市税条例改定が提案されましたが、四十六億円もの市民増税に対し、自民、公明、みらい、民主、社民、ネットワーク、無所属(荒木議員)も賛成しました。日本共産党は、大企業減税を温存する一方で収入減に苦しむ勤労者や年金生活者に増税することは認められないとして反対しました。
また、議員定数調査特別委員会が開かれましたが、来春の市議選の定数は現行通りとなりました。わが党は市民の代表である議員数を人口増に基づいて増やすよう主張し、少なくとも人口に比例していない現在の各区の定数を正すため西区一増を提案しました。しかし、他党派が「見直す必要なし」「西一増、南一減」などにこだわり合意に至りませんでした。
市長選挙で「大規模開発の見直し」「子育て日本一」「福祉・教育への重点配分」をかかげた吉田市長は、その公約の具体化を提案すべきでしたが、12月議会では公約に基づく市民向け施策の提案はなく、先延ばししました。市長は質疑の中で、留守家庭子ども会無料化などは実施時期を明言せず、「市財政の米びつは空っぽ」と財政の厳しさを強調しましたが、公約を後退させる懸念があると言わざるを得ません。新年度予算案の決定が来年二月中旬に迫っており、そこで吉田市政の基本方針が示されることになります。
これまでの財界奉仕の開発行政・市民犠牲の市政をおおもとから転換し、暮らし、福祉、教育の充実、市民の切実な要求を実現するためには、世論と運動の高まりと、市民と共同してがんばる日本共産党の前進が欠かせません。
日本共産党市議団は、市政転換と市民要求の実現のため、さらに奮闘します。そして、きたる市議会議員選挙で八議席への躍進を必ずかちとる決意です。
以上