2006年12月11日
福岡市長 吉田宏 殿
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山 郁美
原田 祥一
星野美恵子
比江嶋俊和
倉元 達朗
市政転換と暮らし応援の公約実行を求める要請書
先日行われた福岡市長選挙で、ムダな開発と増税・負担増、市民無視の山崎前市政に厳しい審判が下されました。
2期8年間の前市政は、人工島とその破たん救済に巨額の税金投入を続けるなどムダな大型開発を優先し、隠れ借金も含めて2兆7500億円の深刻な借金財政を生みだし、そのツケを市民に押し付けて公共料金の値上げや福祉・教育の切り捨てを強行しました。国の増税といっしょになって市民に重い負担を強いています。また、ケヤキ・庭石事件など汚職腐敗と政官業の構造的癒着は深刻です。前市政がオリンピック招致に突き進んだことは市民無視の極みでした。
こうした市政に対し、市民は「開発優先の市政を変えてほしい」「国の悪政から市民の暮らしを守る市政を」など、ムダづかいの市政から暮らし応援の市政へ、その根本的転換を切実に求めています。
吉田市長が選挙で掲げられた「開発行政をストップ」「大型開発をやめ、福祉・教育への重点配分を行う」「子ども・高齢者・障がい者の視点を都市づくりの基本に」「日本一子育てしやすい街」という公約を文字通り実行されることこそ、そうした市民の願いと期待に応えるただ一つの道であると考えます。
また、「高齢者・障害者の負担軽減」「学童保育の無料化」「35人以下学級の小学校全学年実施」「公立保育所民営化の中止」「小学生低学年まで医療費無料化」「開発型ではなく生活密着型公共工事を増やす」など、福祉や教育の分野での具体的な公約は、いずれも市民の切実な願いに応えるものです。
私たち日本共産党は、吉田市長が市民の民意を尊重し、自らの公約を誠実に実行されるよう希望するものです。
ご承知の通り、前市政のもと策定された福岡市の「市政経営戦略プラン」は、いまや格差社会の根源ともなっている「構造改革路線」を市政に持ち込むものであり、住民の福祉と生活を守るべき自治体の責任を放棄し、福祉や教育を切り捨てる一方、人工島や新福岡空港建設などの大型開発に突き進むものです。また「財政健全化プラン」は、公共料金値上げや受益者負担の導入など市民負担増や、福祉や教育の歳出カットなど市民犠牲を伴うものです。この際、これらのプランを廃止し、市民本位の行財政改革と財政再建を進めるべきです。
日本共産党福岡市議団は、市長就任にあたって、開発優先のムダづかい市政の根本的転換と、市民の暮らしを応援する施策の実施について、下記の通り要請いたします。
記
- 市政運営の基本方針は、次の3つの点で市政を根本的に変えること。
- 国の悪政から市民を守る市政へ。
- ムダな開発をやめる市政へ。
- 清潔で、市民の声がとどく市政へ。
- 次の諸課題について早急に実施すること。
- 子育て支援として、中学生まで医療費を無料化すること。留守家庭子ども会の利用料徴収をやめ、事業を充実すること。
- 全ての小・中学校で30人学級を実現すること。専門職員のいる児童館を校区ごとにつくること。教育基本法の改悪に反対し、同法の精神を守り生かし、教育予算を抜本的に増やすこと。教室に冷暖房を設置すること。
- お年寄りや障害者に対する増税や負担増をやめるよう国に要求するとともに、お年寄りや障害児・障害者、ひとり親世帯に対して、水道・下水道・ごみなど公共料金などの負担軽減策を実施すること。国民健康保険料の負担軽減をすすめ、保険証取り上げをやめること。介護保険料や利用料などの負担軽減をすすめ、取り上げられた介護ベッドや車いすの利用継続を図ること。障害者自立支援法に関わる負担増に対して市独自の軽減策を拡充すること。
- 新福岡空港、須崎ふ頭再開発、新都心構想など、莫大な事業費を伴うムダな開発はおこなわないこと。人工島への税金投入をやめ、市立病院の統合移転計画を中止すること。市民のくらしを守りながら財政を立て直すこと。
- 公共事業は、児童館・保育所・特養ホーム建設、学校の修理や耐震化など、くらしに役立つ内容に切りかえ、仕事と雇用をふやすこと。中小企業応援のため、景気効果の高い、政令市初の住宅リフォーム助成をつくること。「サービス残業」や偽装請負など労働現場の無法を根絶する手だてをとること。
- 大事なことは住民投票や市民アンケートで決めること。市民意見を市政に反映させる仕組みをつくること。市役所から政官業の構造的癒着を一掃すること。市職員の心と体の健康を脅かす長時間・過密労働を解消するため、人員不足の部署を増員するとともに、サービス残業をなくすこと。
- 憲法を守り生かす立場を表明すること。非核平和都市宣言をおこなうこと。
以上
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