2006年5月26日
山崎市長の3選出馬表明をうけて
日本共産党福岡市議団
本日、日本オリンピック委員会の選考委員会が開かれ、2016年オリンピックの国内候補地として東京都が選ばれ、福岡市は落選しました。
福岡市の山崎広太郎市長が今年秋の市長選挙に3選をめざして出馬する意向を明らかにしたことが24日一斉に報道されました。
現職市長の出馬表明はこれまで、市議会で与党会派の質問に答弁する形で行われ、山崎市長も前回は6月議会で福政会議員の質問に答えて、出馬を表明しました。
異例の出馬表明
今回市長自らテレビ・新聞のインタビューに答えて出馬を表明したことは、まさに異例です。
山崎市長が打ち上げた2016年オリンピック招致に市民の批判がかつてなく高まるなか、市長を支えるはずの与党会派・議員のなかでも模様見や動揺が広がっていると言われ、一部に独自候補を探る動きも起きています。市長はオリンピック招致のJOC国内選考の成否に影響されない8月以前に市長選出馬を表明する必要に迫られ、孤立と焦りのなかで与党会派との調整もないまま、今回の異例の出馬表明となったのでしょう。オリンピック招致反対の世論と運動が市長を追いつめているのです。
オリンピック招致反対署名は短期間に11万人を超えて集まり、25日市議会に提出されました。山崎市長に求められるのはこの市民の思いを真摯に受け止め、招致を撤回することです。ところが市長は、この署名運動の広がりを知り、議会提出の前に慌てて出馬表明しました。いまや市民に敵対する異常な市長の態度に市民の批判と怒りがかつてなく大きく高まっています。
山崎市政が続けばどうなるか
山崎市長は、1998年の市長選挙で開発行政を批判して現職の桑原市長を破り初当選しましたが、その直後から自民党にすりより、「アジアの交流拠点都市づくり」の継承を表明して、人工島事業など大型開発のムダづかいをすすめました。2002年の市長選挙では、自民、公明、民主、社民などのオール与党体制を確立させて再選されましたが、いっそうのムダづかい路線をすすめるとともに、100億円を超す公共料金値上げなど市民負担増や、福祉と教育のきりすてを強行してきました。2005年には人工島事業の継続の賛否を問う住民投票条例を求める8万4千人余の直接請求が行われましたが、これを拒否しました。山崎市長の8年間で市の借金は4200億円以上も増えて、市民一人あたり200万円へ、「全国一の借金都市」と言われる深刻な状況となっていますが、巨額の税金投入となるオリンピック招致と都心の大開発に突き進んでいます。
市民の願いとかけ離れ、財界・大企業の利益を最優先にした開発行政と、小泉構造改革に追随して社会的貧困と格差の拡大を助長する市政運営に走っているというのが、8年間で行きついた今日の山崎市政の実態です。この市政がこれ以上続けば、市の財政はいよいよ破たんし、市民生活がますます苦しめられることは避けられません。
求められる「市民が主人公」の市長
日本共産党が4月からとりくんでいる市民アンケートはこれまでに4400を超える回答が寄せられていますが、山崎市政を評価しないという人が7割近くに上り、4年前の42%に比べて大きく増えています。「市長にしたのが間違いだった」「早く辞めてほしい」などの声が多数です。同時に、福祉や教育の充実を求める切実な声があふれています。
市民は、福岡市が暮らし、福祉、教育、子育て、雇用、平和、環境を最優先にして誰もが安心して暮らせる街となることを望んでおり、この願いに応える市長こそいま求められています。
日本共産党市議団は、山崎市政と一貫して対決してきた野党として、市長3選を阻止し、市民が主人公の市政を実現する新しい市長の誕生をめざして、幅広い市民のみなさんと力をあわせて奮闘する決意です。
以上