トップ > 政策と活動 > 申し入れ > 臨海清掃工場焼却炉建設工事の談合問題に関する申し入れ

日本共産党福岡市議団の政策と活動

2006年5月22日

福岡市長 山崎広太郎 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山 郁美
星野美恵子
原田 祥一
比江嶋俊和
倉元 達朗

臨海清掃工場焼却炉建設工事の談合問題に関する申し入れ

福岡市の臨海清掃工場焼却炉建設工事をめぐり、大手メーカー5社による談合が行われたことが発覚し、4月25日、福岡地方裁判所は、同工事を落札した日立造船の他、三菱重工、JFEエンジニアリング、タクマ、川崎重工の5社に対し損害賠償として20億8801万6千円を福岡市に返還するよう命じ、同時に、福岡市が損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法だと確認する内容の住民訴訟判決を下しました。焼却炉談合は全国で問題となっており、この数日後の東京地裁判決を含め、昨年8月以降、裁判所が談合を認定して返還命令を出す判決が続いていますが、そのなかでも、福岡市の事件は受注額、返還命令額とも最大規模です。

判決は、証拠資料をもとに5社間に1994年頃までに談合の基本ルールが成立していたことを指摘し、全国の自治体等が予定している入札に関して落札予定者を調整していた事実を認定しました。臨海工場についても五社が談合して日立造船を落札予定者としており、実際に不正な落札を実行したと断じました。同工事の落札率は九九・九七%と異常に高く、日立造船が本市から不当な利益を得たこと、本市の損害額は受注金額の7%相当、約20億円と見なされることを認めました。臨海工場建設工事において談合が行われ、本市が20億円もの損害を被っていたことは明白となりました。

同時に、今回判決は、市長が五社に対して損害賠償請求を行わなかったことが地方自治法の財産管理義務違反だと断じました。公正取引委員会において2004年3月に本件審決案が出され、事件記録を閲覧謄写することによって談合の証拠資料を入手することは可能となったにもかかわらず、市長が公正取引委員会の審決の確定を待つという姿勢をとり続けたことは違法だと批判されました。こうした判決を真摯に受け止め、臨海工場建設工事における談合を認定し、5社に対し速やかに損害賠償請求を行うことが求められています。

ところが市長は、こともあろうに判決を不服として控訴しました。言うまでもなく、焼却炉メーカーによる談合・不正入札は断じて許されないものであり、被害者である本市はその損害を回復すべく厳しく対応すべきです。

今日、国の三位一体改革による地方財政への悪影響や、ムダな大型開発推進による浪費によって、本市財政は「日本一の借金」とさえ言われる巨額の市債を抱え、危機的状況に陥り、それを口実に市民負担増と福祉・教育の切り捨てが強行されています。財政状況に対する市民の関心も高まるなか、談合によって二十億円もの税金を不当に奪われたというのに返還を要求しないことは到底許されないものです。

さらに、公共工事から不正を一掃する真剣な対応が求められます。本市公共事業をめぐっては「ゼネコン疑惑」「自民党パーティ券事件」「河本建設談合・贈収賄事件」「ケヤキ・庭石事件」など汚職腐敗事件が繰り返され、政官業の構造的な癒着が問題となってきました。税金が食いものにされる深刻な事態に市民の怒りが強まっています。今回談合に市幹部の関与がなかったのかなど徹底的に調査し、今こそ、抜本的な入札改革を行うべきです。

日本共産党は、市政から不正を一掃し、大切な税金は市民のくらし、福祉、教育の充実に生かすべきとの立場から、貴職が以下の事項について実施されるよう要求いたします。

  1. 臨海清掃工場焼却炉建設工事の談合事件を徹底調査し、公表すること。
  2. 本市が談合によって損害賠償請求権を有していることを認め、控訴を取り下げるとともに、日立造船をはじめ入札参加五社に対して損害賠償請求を速やかに行うこと。
  3. 談合・不正を一掃する実効ある入札制度改革を行うこと。とくに、指名競争入札のあり方を見直すこと。談合防止に効果のある、入札参加業者の排除や予定価格の決定に抽選くじを導入することや電子入札についても検討すること。

以上


>>>「申し入れ」一覧に戻る
>>>「声明」一覧へ
>>>「政策と活動」トップへ

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ