2000年11月17日
福岡市議会議長 津田隆士 殿
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
副団長 黒田ハツ子
幹事長 原田 祥一
星野美恵子
比江嶋俊和
綿貫 英彦
倉元 達朗
(議長申し入れ)
河本建設脱税・不正入札、市幹部の贈収賄疑惑解明のための
百条調査特別委員会の設置に関する申し入れ
河本建設の脱税・不正入札事件で、福岡市の現職局長が三日間も福岡地検の事情聴取を受け、さらに十四日には本市発注の筥松第四ポンプ場建設工事をめぐる談合容疑で市総務企画局長室、財政局長室、契約課が家宅捜索されるという重大な事態を招いています。同事件では相次ぐ逮捕者に加え、すでに二名の自殺者が出ております。河本建設が工事を受注するために配ったとされる「裏金」の「配付先リスト」には、業界幹部だけでなく、市の幹部職員や「大物幹部OB」の名前もあがっているとされており、贈収賄疑惑も浮上しております。
同事件は、松本組幹部が工事の配分を「仕切る」談合が日常的に行われていることや、架空の下請け発注で裏工作資金が捻出されるなど、市民の税金で行われる公共事業が政・官・業の構造癒着のもとで、食い物にされている実態を示しました。しかも、市からの情報提供があった、とする報道も行われており、さらに、ある元市幹部からは、「落札業者は二、三年前から決まっているのが実態だった。私たちにも分かっていた」(「読売」14日付け夕刊)との証言も寄せられています。これがもしも事実なら、まさに、公共工事をめぐって不正、腐敗が蔓延していることを物語るものと言わなければなりません。
市政に対する信頼は大きく損なわれ、市民の怒りは一気に高まっています。今求められているのは、市当局の責任で徹底的に真相を解明し、市民に明らかにするとともに、再発防止の抜本策を確立することです。
ところが市当局は、15日の決算特別委員会総会における答弁でも明らかなように、福岡地検が捜査中であることを理由に、誰が事情聴取を受けたのかも明らかにせず、不正入札にかかる調査すら拒否しています。このままでは市政に対する市民の信頼はますます失墜し、不正と腐敗はいつまでも温存されることになりかねません。
したがって今こそ、市議会が市民とともに真相究明のためにあらゆる手立てをつくし、再発防止のために全力をあげるべきです。日本共産党福岡市議団は、議長がただちに左記の措置をとられるよう申し入れるものです。
記
- 市議会として河本建設脱税・不正入札、贈収賄疑惑の全容解明をすすめ、再発防止策を確立するための百条調査特別委員会を設置すること。
以上